イベントレポート「起業からバイアウトまでの軌跡」(7月24日)
Liberta Presents ViTALIZE「起業からバイアウトまでの軌跡」“イグジットを経験したから言えること”トークイベントが7月24日(月)に開催されました。
このイベントは、前回「今、なぜイントレプレナーが必要なのか?」に続き、新しい働き方シリーズの第2弾となります。
当日、会場となった31VENTURES Clipニホンバシのイベントスペースは満員御礼の50名を超える来場者で埋め尽くされました。
登壇者は、米田 昌弘 氏(バイザー株式会社を起業・売却)、横路 一樹 氏(有限会社CSRDを起業・売却)、合田 ジョージ 氏(株式会社ノボットをCMOとして売却)の3名。それぞれが会社の「売却」という経験の持ち主です。
まず自己紹介を兼ねて、登壇者それぞれが起業からイグジットまでのストーリーを紹介。
米田氏は、サッカーの試合の日程調整用に作ったメールのシステムをASP化した事業を開始して、個人情報漏洩問題など社会的な背景が後押しして同サービスが急成長。自治体などセキュアなメールサービスを求める団体などから支持をされ、国内シェア20%を獲得し、起業後10年で売却に。
横路氏は、学生時代に古着をフリマで販売したことがきかっけで、ファッションビジネスに目覚め起業。古着を販売するショップを経営、その店舗が成長。その後売却へ。
合田氏は、グロービスに通っている時にスマホ向けのアドネットワーク事業を手がけるノボットにCMOとしてジョイン。そのサービスが急成長、短期間のうちにKDDIグループに売却という経験の持ち主です。
パネルディスカッションは、
・そもそも起業のきっかけは?
・最初の売り上げを覚えていますか?
・どう成長軌道に乗せた? 成長させるのにどんな工夫を?
・売却を意識するようになったのはいつ? そのきっかけは?
・ぶっちゃけいくらで売却されましたか?
・仲間割れ、お金がないなど、ドロドロした話を聞かせてください
などが設問として用意され、その三者三様の個性的な回答に会場が沸きました。
中でも、売却を意識するようになったきっかけとしては、黒船など海外からのライバル企業が押し寄せようとしていた、今以上にサービスを成長させるための壁にぶち当たることが見えていたなど、物事には「売り時」(タイミング)というものがあることがわかりました。
また売却額の相場は、IT系の企業の場合「営業利益額の5年分」とのことも関心を集めたポイントでした。
さらに「仲間割れ」「お金まわり」などドロドロした課題は「デフォルトで存在」するもの。仲間割れはするもの、お金はなくなるものということを前提にチームアップをし、事業運営にあたる必要がある。それがスタートアップというものというお話も興味深い点でした。
質問がタイムは、会場からの質問を受け付けるコーナー。
・ズバリ、次に注目してる業界、分野はどこですか?どこに金脈があるとふんでますか?
・起業初期、バイトや手伝う仲間を選ぶとき、何をポイントにしてバスに乗せますか?
・横路さんへ、起業当時、買い取ったものは、つまり在庫はどこに置いてましたか?
・公共案件へのアプローチ方法、またその際のコツなど
・横路さんへ ほりえもんのことはどう思いますか?
・サービスに対して初めてクレームが出たタイミングとどのように対応されたか?
・学生起業は、おすすめですか?おすすめではないですか? 良ければその理由を教えてください
・バイアウトをされる際に感じたリスク(特に契約書上のリーガル面)があればご教示下さい。
・ライバルと思う起業家を教えてください。これからのやりたいことを教えてください。
・起業時、支えてくれる女性はいましたか?いた場合、パートナーは必要だと思いますか?いない方が良いと思いますか?[返信]
・米田さんへ 自治体とお仕事をしてみて感じた自治体の最大の課題はなんですか?
・今後の人生における最大の目標はなんですか?
・入札案件の受注のコツは?
・フリマで数百円を数万で売った話術のポイントはありますか?
・少なからず思い入れのある法人を手放す心境はいかがなものでしたか?
・皆さん、何円くらいでバイアウトされたんですか?
・ゴールはありますか?あれば建前でなく本音でお願いします。
・お三方へ。起業後の最大のピンチとそれを乗り越えた方法(コツ)を教えてください、
など、20の質問が参加者からは寄せられ、登壇者3名が回答をしました。
次にくるセクターは「ナイトテック」(夜の業界のテクノロジー化)と「アートテック」(芸術系のテクノロジー化)という合田氏の回答は、意外性をもって受け入れられていました。
今回もグラレコチームがわかりやすくイベントの成果をグラフィックにまとめて発表。質の高いイラストと解説で視覚的に記憶に定着させます。
休憩時間、イベント終了後は、恒例のネットワーキング。参加者同士の結びつき、学びの視点を共有し、閉会となりました。